国連人権理事会でのウクライナ決議 タイ大使が「棄権」理由を説明
ウクライナの首都キーウの近郊でロシア軍に殺害されたとみられる大勢の市民の遺体が見つかったことを受け、先に国連総会ではロシアの国連人権理事会の理事国としての資格を停止するよう求める決議案の採決が行われ、93カ国の賛成で同案が採択された。タイは採決を棄権した58カ国のひとつだったが、このことについてタイのスリヤ国連大使は、熟考の結果であるなどと説明した。
同大使は、「国連人権理事会の理事国の資格停止は軽々に決めてよいことではない。原則と事実に基づいて慎重に検討して決めなければならず、建設的な意見に耳を傾け、どのような結果がもたらされるかも考える必要があった」と指摘するとともに、「タイもウクライナで多くの人命が失われたこと、紛争がエスカレートしていること、人道にかかわる危機が起きていることを非常に残念に思っており、指摘されている人権侵害に対処すべく速やかに措置が講じられるべきと考えている」と述べた。
なお、この地域では、タイのほか、カンボジア、マレーシア、シンガポール、インドネシアも今回の採決を棄権した。