森に女性の石彫 キノコ狩りの地元民が発見 クメール王朝の作品か、30年前の僧侶作か
東北部ブリラム県ノーンディンデーン郡のドンヤイ野生動植物保護区で先ごろ、大きな岩に伝統の衣装とみられる服装をした女性の全身像を彫ったものが見つかった。古代のものとの見方もあり、芸術局がいつの時代のものかなどを解明するために調査を開始したものの、これまでに解明されたことを総合すると石彫がさほど古いものではない可能性が浮上してきた。
背丈1メートル40センチほどの女性のこの石彫は、キノコ狩りで保護区に入った地元民が偶然見つけたもの。国立公園野生動植物保護局によれば、発見の知らせに伴い芸術局の専門家がすぐに現地に赴いて調査を開始したが、今のところ石彫が制作された詳しい年代はまだわかっていない。
石彫が見つかった場所は、カンボジア国境に近い場所。また、現在のタイ、ラオス、カンボジア、ベトナムを含む広大なエリアは現在のカンボジアのもととなったかつての王国、クメール王朝(9~15世紀ごろ)があったところで、これまでに同王朝に関連する遺跡などが多数見つかっている。このことから当初、ブリラム県で今回見つかった石彫もクメール王朝時代のものとの指摘があった。
だが、パノムルン歴史公園のパクプーム公園長によれば、古代の遺跡などとは異なる点があり、また、発見現場近くには約30年前に僧院が存在していて、そこの僧侶が石彫を作ったとも考えられるとのことだ。