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【労働】タイ内閣、労働裁判所の権限拡大を承認 労働関連の刑事事件も一括審理へ

タイ内閣は8月25日、労働裁判所法および人身売買事件訴訟手続法の改正案を承認した。首相府副報道官によると、狙いは労働関連の紛争をめぐる裁判手続きを、より迅速かつ公正に行えるようにすることだという。

現在の制度では、労働裁判所が扱えるのは労働に関する民事事件のみ。同じ労使トラブルであっても、労働関連法に違反した刑事事件が絡む場合は、当事者が別の裁判所でもう一度手続きを進めなければならず、時間も手間もかかっていた。今回の改正では、労働裁判所が労働関連の刑事事件も一括して審理できるようにする。

また、対象となるのは、在宅ワーカー保護法、労働者保護法、漁業労働者保護法、職業紹介と求職者保護に関する法律、外国人労働者管理法、社会保障法、労働安全衛生法、労災補償に関する法律、船員労働に関する法律、国営企業労使関係法、労働関係法など、労働分野の法律11本にもとづく違反行為だ。ただし人身売買に関する犯罪は、罪が重く一般の刑事事件との関連も強いため、これまで通り一般の刑事裁判所が担当し続ける。

政府側の説明によると、改正の目的は労働問題に精通した裁判官が刑事責任の有無まで一体的に判断できるようにし、当事者間の関係性や事実関係を継続的に把握しやすくすることにある。あわせて一つの行為が複数の法律に触れる場合の審理方法や、複数の関連事件をまとめて扱えるかどうかについても、裁判所の裁量で柔軟に判断できるよう規定を整える。今後は国会での審議を経て正式に成立する見通しだ。

タイで従業員を雇用する日系企業にとって、労働関連の紛争が発生した際の裁判手続きが変わる意味は大きい。訴訟が長期化しにくくなる一方、労働裁判所が刑事責任まで踏み込んで審理するようになるため、就業規則や労務管理の運用にはこれまで以上に注意が求められそうだ。

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