第29 回アジアクロスカントリーラリー 四輪部⾨でトヨタチームの現地化が結実
R1 ジャパンが主催する東南アジア最大規模のクロスカントリーラリーである「アジアクロスカントリーラリー」(AXCR)。山岳地帯、ジャングル、湿地帯、ビーチサイド、河川、砂漠、プランテーション、ターマック(舗装路)、サーキットなど様々な地形を組み合わせたコースへの挑戦を通じて、選手とチームのスキル、クルマの限界性能を試すユニークなレースだ。
第29 回となる今大会は8月11 日から17 日にかけて国際自動車連盟(FIA) ・国際モーターサイクリズム連盟 (FIM)・タイ王室自動車連盟 (RAAT) 公認の下、タイ国内で開催。タイ国政府観光庁(TAT)・アジアンラリー親善協会など多くの機関・団体が後援した。レースコースは全長約2100 ㌔。スタートはスラタニ県。プラチュアプキリカン県フアヒン郡を経由し、ゴールはカンチャナブリ県に設けられた。
第1 回大会が行われたのは1996 年8 月。その後、2020 年と21 年を除いて毎年開催されている。走行ルートは開催年により異なるが、これまでにタイ、マレーシア、シンガポール、中国、ラオス、ベトナム、カンボジア、ミャンマーの8 カ国で実施されている。タイ一国開催となったのは、2024年大会を含め全8 回となる。
ラリーは四輪部門と二輪部門とに分かれて競うが、今年の四輪部門はTOYOTA GAZOO RACINGTHAILAND からトヨタ ハイラックス レボ で出場のMana PORNSIRICHERD / Kittisak KLINCHAN 組が参戦7 度目で初の総合優勝を飾った。
TOYOTA GAZOO RACING THAILAND のAXCR 初参戦は2016 年。トヨタ100%出資の子会社であり、トヨタ車専門カスタムカーパーツ・スーパーカーブランドであるTRD 主導で制作した競技用マシンに、日本人ドライバーとサービスチームという日本がコアとなるチームであり、初年度から総合2 位に入る。しかし、間もなく、「オールタイランド」に方針を変更。タイ生産のトヨタ ハイラックスをタイ人ドライバーが運転し、チーム運営もタイ人が行うことにした。そのため、いすゞ のD-MAX に勝てない時代が続き、22 年には初参戦のTeam MITSUBISHI RALLIART に敗北するなど苦渋をなめていたが今回は、2 位と3 位に入ったいすゞ のD-MAX を抑えての優勝となった。タイ現地化は一般車両生産だけでなく、ラリー分野でも確実に進んでいるようだ。
なお、4位にはフォーチュナで出場のTOYOTA GAZOO RACING INDONESIAが入っている。
一方、二輪部門は、KTM 250EXC-TPI で参戦したTeamOTOKONAKI の松本典久選手(日本)が12 年目の挑戦で初優勝となった。
AXCR を後援するアジアン・ラリー親善協会
石田憲治会長に聞く
【写真・情報提供:ASIA CROSS COUNTRY RALLY2024公式HP ほか】