カジノ合法化がタイ観光業に影響か 中国人が訪タイを敬遠する可能性も
タイ政府はカジノを含む複合娯楽施設を国内の複数か所に開設する形で賭博解禁を実現しようとしているが、観光業界からは、中国人観光客が減るのではないかと懸念する声が上がっている。
今回の不信任案審議でも野党議員が「タイ貢献党は(2023年の総選挙において)カジノ合法化を公約に掲げていなかった」などと指摘し、有権者の承認を受けていないと批判。自国内での賭博を禁止している中国がカジノが解禁されたタイを観光しないよう自国民に呼びかける可能性もあると訴えた。
最大野党・人民党のパリット議員によれば、中国はカジノが合法化されているシンガポール、フィリピン、マカオなどを自国民が観光することを奨励しておらず、これらの国の観光業にすでに影響が及んでいるという。
このほか、タイ旅行代理店協会幹部によれば、同協会は賭博合法化について中国の関係当局と複数回にわたって協議をしているが、中国側からは常にカジノ合法化が中国人のタイ観光に影響するのではないかと懸念する声が出ているのが実情とのことだ。