【労働】世銀が東アジアの「2億1000万人の雇用不足」を警告 タイの課題も指摘
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世界銀行グループのハビブ・ナセル・ラブ繁栄担当プラクティスマネジャーは5月20日、東アジア・太平洋地域の労働市場が重大な転換点を迎えていると警鐘を鳴らした。同地域では今後10年間で生産年齢人口(15~65歳)が最大3億2000万人増加する見通しだが、創出される雇用は約1億1000万人分にとどまり、2億1000万人分の雇用が不足するとの試算を示した。
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「タイは人材の質は高いが経済的機会が不足」
AI(人工知能)と自動化の急速な進展が雇用構造を一変させている。影響を受ける職種は、ロボットに置き換わる製造ラインの作業員やATMに代替される銀行員のような定型業務にとどまらず、金融アナリストやエコノミストの機能にもAIが浸食し始めている。ベトナムなど製造業に依存する国ではすでに大量の離職が発生しているという。
タイについて世銀は、労働者の技能水準(ケイパビリティー)は良好だと評価する一方、それを生かすだけの経済的な「機会」が十分に生まれていない点を最大の課題に挙げる。農業から離れた労働者が低賃金・低付加価値のサービス業に流れる傾向も指摘された。日系企業がタイで人材を確保するうえでも、技能開発の支援や高付加価値ポジションの創出が一段と求められる環境になりつつある。
