新下院議長 首相指名選挙の見通しは「分からない」
ワンノー新下院議長は7月4日、間もなく実施される予定の首相指名選挙について、総選挙で最多議席を獲得した前進党のピタ党首が今のところ過半数の賛成票を得て首相にすんなり選ばれる状況にはないとの見方を示した。
首相指名選では、下院議員500人と上院議員250人の過半数(376人以上)の賛成で首相が決まることになる。だが、ピタ党首を首相にするには、連立政権を組もうとしている前進党、タイ貢献党などの8党の所属議員だけでは過半数の賛成票を確保できないため、一定数の上院議員の賛同が不可欠となる。ワンノー議長は、「過半数にまだ何票足りないのかを検討し、(首相選の)投票に備える必要がある」している。
前進党については、不敬罪を規定した刑法112条の改廃を提唱していることが王室支持派の保守層の反発を買っているとされるが、「議会に刑法112条改正案が提出されたらどうするのか」との質問に対し、ワンノー議長は、「どのような法改正も憲法に違反してはならない。憲法には行ってよいことと悪いことが規定されている」と返答するにとどめた。
なお、前進党など8党は先ごろ、連立政権樹立に向けた合意書を取り交わしたが、ここには刑法112条改正は盛り込まれなかった。