不敬容疑で起訴されたタクシン元首相 セーター首相が「国外逃亡はしないと確信」
今年2月の仮釈放でほぼ自由の身となっているタクシン元首相が先ごろ、過去の発言が「不敬」に当たるとして憲法裁判所に訴えられ、重い刑罰を科される可能性が出てきたが、セーター首相は6月4日、「タクシン元首相が罪を免れるために再び逃亡することはない」と明言した。
元首相は2006年9月の軍事クーデターに伴って首相の座を追われた後、首相在任中に不正を働いたとして裁判にかけられたが、保釈中の08年8月に裁判所の許可を得て中国・北京を訪問。そのまま帰国せずに逃亡し、昨年8月末に帰国するまで事実上の亡命生活を送っていたという前科がある。このため、一部で「元首相は以前と同じように有罪判決が下る前に国外に逃げるのではないか」との見方が出ている。
セーター首相は4日、「今朝、タイ貢献党(中核与党)のペートンターン党首(元首相の次女)に会って、父親のことを尋ねたが、『元気』との返答だった。私は元首相が不敬容疑について(法廷で)闘う用意ができており、タイを去ることはないと確信している」と述べた。