プラユット前首相の自宅視察を求めた野党議員に国軍が仕返しか 国防相は否定
タイ下院軍事委員会の委員で野党・前進党所属のチラット議員が、プラユット前首相が現在居住している陸軍施設内の住宅を視察するよう求めているが、同議員に突然、兵役忌避疑惑が持ち上がった。これについては、チラット議員の動きを封じてプラユット前首相を擁護しようとする国軍の仕返しといった見方も出ている。しかし、スティン国防相は1月30日、「兵役忌避疑惑とプラユット前首相の住宅視察は別個の話で関連性はない」と述べ、国軍による仕返し説を否定した。
現在枢密顧問官を務めるプラユット前首相は元陸軍司令官で、首相時代も公邸でなく陸軍の住宅に住み、現在も同じ住宅に住み続けている。これを問題視したチラット議員が住宅を訪れてプラユット前首相の暮らしぶりを確かめたいと言い出すに至った。
一方、「兵役を免除された」と説明しているチラット議員について、国軍の担当者は1月29日、同議員の兵役免除に関連する文書が国軍には見当たらないと指摘。これに対し同議員は、「兵役忌避でなく兵役免除である」と強く反論している。
スティン国防相は、「チラット議員は悪いことをしていないのなら何も心配する必要はない」とコメント。同議員が要求しているプラユット前首相の住宅視察に関しては「誰もが検査対象となり得るが、問題なのはそれが適切かどうかだ」と話している。